理事長所信

【はじめに】

 世界中で流行した新型コロナウィルス感染症の蔓延により今まで当たり前であった我々の暮らしが日々変わり、先行きがわからない未曾有の出来事を経験した。国内経済は衰退の一途を辿り、リーマンショック後を超える戦後最悪のGDP下落幅が拡大し続けたことをはじめ、東京オリンピック開催延期や日本政府により緊急事態宣言が発令され、感染拡大防止によるイベント、スポーツ観戦、各種団体の集会等の自粛や学校の臨時休校などまさに混沌とした時代に突入してしまいました。
  自粛続きの影響で国民の消費マインドの低下により地域経済が停滞し、先行きが見えない出口に向かっていくことも経験しました。しかし、私はこんな混沌とした時代だからこそ見えてくるものや感じるものがあると信じています。
  山辺青年会議所は、設立48 年を迎え、改めて青年会議所の設立趣意を振り返ると、私たちの創始の精神を改めて痛感することができました。いつの時代も一つの光がある限り、課題解決に向けて逆境や困難に立ち向かい、我々青年経済人が先頭に立ってやるべきことが必ずあります。
  2022 年度は「明るい豊かな社会の実現」を体現できる絶好のチャンスを掴む契機となると考えています。我々の暮らしは新しい生活様式が当たり前になり、人々は危機管理能力が向上していくであろう新時代へと突入していきます。青年会議所活動様式も柔軟な対応を考えながら、変革を恐れない覚悟を持って少しでも地域の未来の為に還元できるよう活動して参ります。

【未来につなげる会員拡大】

 近年、全国的にみても多くのLOMで会員拡大の必要性が叫ばれています。我々山辺青年会議所でも会員拡大は最重要課題と考えます。
  私が考える会員減少とは、自分たちの住む地域の未来を思う人が少なくなってきている事だと思います。青年会議所では、地域に根差した活動を主軸に山形ブロック協議会等でも様々なセミナー、各地青年会議所との交流、事業を通しての修練など地域の未来の為に率先して活動できる組織だと思います。
  これからの時代に即した活動を行っていかなければならない中で、メンバーが青年会議所運動の意義を知り、活動の楽しさを感じ、JCの輪が広がっていくことで会員拡大に繋げていきたいと考えます。
  これから経験豊富なメンバーが卒業し、入会歴が浅いメンバーの割合が必然的に多くなり、JAYCEEとしての育成が急務の課題であると考えます。そして、2021 年度は通常の活動に制限がかかり、学ばなければいけないものができないというもどかしさのもと1年間過ごしてきました。そこで、今後山辺青年会議所を背負って立つであろう入会2~3年目を対象とした研修や交流を行う機会を設け、次代を担うJAYCEEとしての成長と同時に青年経済人として成長することがLOMの発展につながり、ひいては東村山の発展につながると信じています。

【誇りを持った新しい組織創り】

 私が山辺青年会議所に入会してから最初に感銘を受けたものは組織づくりでした。入会以来、青年会議所における各役職での役割や上司部下の関係性を学んだおかげで、今では組織とはこうあるべきと考えが固まり、公私共に様々な方向性も定まり、効率的に日々の活動ができるようになりました。山辺青年会議所においても48 年の歴史があるのは「変わらないもの・変えてはいけないもの」を継承していきながら、その時代に即したものに可変していった結果、組織が強くなり進化を遂げてきた。昨年度、山辺青年会議所は初めて諸会議や例会、総会をWEBで開催することを取り入れました。これもやはりこの時代だからこその変革であり、さらに磨きをかけ効率的かつ生産性が高い組織運営を確立し、各メンバーが自社でも活かしていける盤石な運営基盤をつくることが「継続」の具現化につながると確信しています。

【JC運動の発信の重要性】

 山辺青年会議所に所属しているメンバーは経営者もしくはそれに準ずる者が大半で、自己の成長や自社の反映に役立てることが目的の一部となっている。地域の発展のために活動することはもちろんではあるが、各企業の発展のために役立てる活動にも着目してみたいと思います。近年、企業が倒産する理由の一つに「情報」とういうキーワードが出ています。世情を調査せずに常に行きあたりばったりの経営をしていると、競合他社より遅れをとることや社員構成の高齢化による人手不足に陥り若手社員が集まらない企業になる。もちろんそれだけの理由ではないにしろ、情報を得ることや与えることが不足してしまうと経営が行き詰まってしまう。この時代を生き抜くために、山辺青年会議所においてもメンバーのネットワークを活用し、経営に関する知識や仕事内容を享受できるシステムを構築していくことで、少しでも会社に還元できるものを創出していく必要があり、必ずや地域にも還元できるものと確信しています。また、山形ブロック協議会の事業や他LOM事業積極的に参加することでの個の成長、LOMの成長にもつなげていきたい。他LOMメンバーとの交流で生まれる見識は間違いなくお金では変えられないものであり、その重要性を伝えていかなければと考えます。
  そして、山辺青年会議所では例年、継続事業の一環でAGASUKEマルシェやジンギスカン祭り等の開催をして地域の方々へ広くアピールできたのも事業内容の魅力はもちろんのこと、やはり事業を行うPRが上手くできたことに尽きると感じています。地域の目に多く触れる機会が増えたことでの効果が生まれ、事業内容や山辺青年会議所を知っていただけたのは、情報の発信の成功のいい例だとは考えます。
  しかしまだまだ次世代の発信が少なくメンバーが直接足を運んで説明や周知を行う事やポスターに頼った宣伝などが多いですがウィズコロナの中、時代に即した発信の絶対的な必要性を考え本年度はSNSを中心に動画を含めた活動をタイムリーに発信していき、共感を得ることで、地域から求められる団体へと変革できる絶好の機会であると考えています。日々新鮮な情報を得ること、与えることを意識した行動に邁進していきたいと思います。

【むすびに】

 どのような時代でも課題解決のために青年会議所メンバーは地域のためを想い活動を続け歴史を紡いできた。その根源はコロナ渦の時代であっても変わらないものであり、我々は課題解決に向けて日々活動していくものである。古代の町の中、レンガを積む三人の男に「何をしているのか?」と聞きました。一人目の男は顔も上げずに「レンガを積んでいる」と答えました。二人目の男は「食うためにこうしてレンガを積んで働いているのさ」と言いました。三番目の男は明るく顔を上げてこう答えました。「後世に残る町の大聖堂を造るためにレンガを積んでいるんだ!」と。三人の「やっている事」はレンガを積むことですが、三人の「目的」は全て違います。一人目の人は目的もなくただ積んでいるだけ。二人目の人は「食べるため」です。三人目の人は「後世に残る仕事をするため」です。
  目的意識を明確に定めることが、この街の活性化につながる。諦めることなく逆境に打ち勝ち一丸となり行動していこう!

一般社団法人山辺青年会議所 2022年度
理事長 小野 虎士

一般社団法人 山辺青年会議所 〒991-0301
山形県東村山郡山辺町大字山辺1307-1
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